菌類、酵母などのセルカウント

菌類、酵母などのセルカウント

アプリケーション

菌類の胞子の自動セルカウント

Beauveria Spore Counting

真菌胞子のカウントは、菌類学、生態学、作物科学、食品科学、医学などのさまざまな科学分野において重要な作業と言えます。従来、真菌胞子は顕微鏡で手動でカウントされてきましたが、µCount3D技術の進展により、簡単で自動化された新しいカウント技術が利用可能になりました。

µCount3D装置とoCelloScope装置は、BioSense Solutions社により微生物学に特化して開発され、最小の真菌胞子でさえカウントできるように設計されています。

測定アルゴリズム

微生物向けディープラーニングアルゴリズム

測定ソフトウェアは、さまざまな菌種に対応し、その測定アルゴリズムは、すべて各菌種2000枚以上のサブ画像に基づいて作られています。胞子を見つけることに特化した測定アルゴリズムは、菌糸や他の粒子を対象から外すことができます。本ソフトウェアに入っている測定アルゴリズムでほとんどの形態的形状をカバーできます。もしご希望の菌種がリストにない場合でも、別の測定アルゴリズムで代用することも可能です。例えば、胞子が錠剤のような形状であれば、Metarhiziumアルゴリズムで代用できる可能性があります。また、抗真菌製品、培地残留物、環境サンプルといった特定の背景を持つ場合は、特定のサンプルマトリックスにあった測定アルゴリズムを別途作ることも可能です。

測定アルゴリズムの開発

微生物向け測定アルゴリズム

開発チームは真菌研究コミュニティと密接に連携しており、新しい菌種やバックグラウンドに対するディープラーニングアルゴリズムを継続的に追加しています。しかし、すべてのニーズをカバーすることはできませんので、別途ご提供可能なAnnotation Toolを使用して自分自身で測定アルゴリズムを作成することも可能です。Annotation Toolは、画像に胞子のマークを付けるプログラムで、簡単なものから複雑なものまで適用できます。例えばフサリウムのような胞子群は高い異質性を示すことがあり、このアルゴリズム作成には時間がかかります。Annotation Toolを使ってマークを付ける際には、一貫性を持つことが重要です。自分でAnnotation Toolを使ってマークを付けるか、または画像をBioSense Solution社に提供していただきます。開発された測定アルゴリズムは、ユーザー専用のものとして使用することもできます。上の画像は、Annotation Toolによって複雑なマトリックス内でCladosporium allicinumの新しい測定アルゴリズムを作成している画面のスクリーンショットです。

実験に合わせて濃度を調整

µCount3Dの濃度調整

µCount3Dを使うことで、様々な真菌種の濃度を簡単に知ることができます。数分で微生物を正確にカウントすることができ、使いやすく、精密で、偏りがなく、速いです。

上の図では、Aspergillus brasiliensis胞子のサンプルを、1.1E+8/mLから連続希釈して測定しました。連続希釈は、おおよそ1.0E+7から2.0E+4の範囲をカバーするように設定しました。30µlのサンプルをカセット上の3つのチャンバーにピペットで分注し、µCount3Dを使用して胞子数/mlを算出しました。

酵母の手動カウント vs µCount3D

酵母の手動カウントチャンバーVSµCount3D

酵母細胞の2倍希釈を0.9%NaClバッファーを用いて行いました。
手動カウントには血球計算盤(C-Chip、DHC-N01)を用い、顕微鏡(Zeiss Axioskop 2 Plus)でカウントしました。1希釈あたり1ウェル。次に、同じサンプルをµCassetteF(カセット)に分注し、酵母のカウントアルゴリズムを選択してµCount3Dでカウントしました。

結果:
µCount3Dによるカウント結果は、酵母サンプル1の手動カウント結果よりも大きい数値となりました。2倍希釈液の実際の数値を見ると、手動カウントのサンプル1の結果は小さすぎで、手動カウント2、3、4と相関させるためには約4.40E+06であるべきだったことが示唆されます。µCount3Dによるカウント結果は、サンプル間で良好な相関を示しました。

操作員のコメント:
手動カウントでは高濃度の細胞をカウントするのが難しく、これがカウント数の違いの原因となった可能性があると述べています。

コニオチリウムの手動カウント vs µCount3D

コニオチリウムの手動カウント vs µCount3D

Coniothyriumの胞子の2倍希釈を0.9%NaClバッファーを用いて行いました。
手動カウントには血球計算盤(C-Chip、DHC-N01)を用い、顕微鏡(Zeiss Axioskop 2 Plus)でカウントしました。1希釈あたり1ウェル。次に、同じサンプルをµCassetteF(カセット)に分注し、Coniothyriumの胞子のカウントアルゴリズムを選択してµCount3Dでカウントしました。

結果:
手動カウントの結果は、µCount3Dを使用したカウントよりも高い数値となりました。手動・µCount3Dどちらのカウントにおいても、希釈間に良好な相関がありました。

操作員のコメント:
Coniothyriumの胞子は凝集しやすく、凝集体内の胞子をカウントするのが難しかったと述べています。µCount3DのConiothyriumアルゴリズムは人間の目で見えるものをカウントするように設計されており、凝集体がある場合はその中の胞子はカウントされません。これが手動カウント結果とµCount3Dのカウント結果の違いの原因だと思われます。。

FAQ

  • カセット(µCassetteF)で使用する容量は?→各チャンバーに30µlを分注します。チャンバーは1つのカセットに3つ付いています。
  • 再利用可能なµCassetteはありますか?→再利用可能なµCassetteは販売していません。
  • 共培養サンプルをカウントできますか?→µCount3Dは、真菌胞子の単一種集団をカウントするように開発されています。しかし、ユーザーは1つの種(形態)に対してアルゴリズムを実行し、次に別の種(形態)を実行して、1つのサンプル内で2種のカウントを実行することができます。ただし、2つの種の形態が異なる必要がります。
  • MilliQ水を使用している場合、培地やバッファーを無菌ろ過する必要がありますか?→通常は必要ありません。
  • どの培地でも使用できますか?→培地が透明であれば使用できます。

菌類の自動カウントについて

微生物セルカウンター用カセット

カウントの自動化により、効率性、一貫性、精度が向上します。サンプル内の大量の胞子を迅速に分析することができ、手動カウントの場合に必要であった時間と労力を大幅に削減することが可能です。また、カウントには一貫性があるので、オペレーターによって生じる変動を排除します。再現性があるので、バイアスに影響されにくい結果を得ることができます。

微生物の自動カウント方法は、大きく「イメージング」「レーザー光散乱」「電気インピーダンス」に分けられます。

  • イメージングカウンター: カメラが真菌胞子群を画像化し、アルゴリズムで胞子をカウントし、結果を画像と共に提供します。
  • レーザー光散乱: 真菌胞子が光のビームを1つずつ通過し、光の散乱によって形態的特徴に関する情報を明らかにし、サンプルをカウントします。
  • 電気インピーダンス: 真菌胞子が電極の間を1つずつ通過し、電気的な電流の違い(物体のインピーダンス)が形態的特徴に関する情報を明らかにし、サンプルをカウントします。

すべての技術には長所と短所がありますが、レーザー光散乱が3つの中で最も高価で使いづらい技術で、フローサイトメーターの形態で提供されます。電気インピーダンスとイメージングシステムはより安価であり、細胞の毎日のカウントにはこれらの技術が用いられていると思われます。

イメージングシステムには、実際にカウントされたものの画像をユーザーに提供できるという大きな利点があります。同じカウント結果を出す場合でも、イメージングシステムの方が「見て納得する」ことが可能です。また、画像を他の画像解析ソフトウェア(例えばFIJIなど)による追加分析にも使用することができます。

エレクトロポレーション

ドラッグデリバリー・遺伝子導入

電気式細胞融合

蛍光組織染色・in situ HCR

細胞分離

1細胞回収・マイクロダイセクション

細胞凍結

細胞・微生物培養 (解析/計数/伸展/灌流)

In Vivo イメージング・モニタリング

卵振動培養