細菌のセルカウント

細菌のセルカウント

アプリケーション

細菌の自動セルカウント

バクテリアのセルカウント

µCount3D装置およびoCelloScope装置は、液体サンプル内の細菌数を自動的にカウントするための独自の画像解析機能を持っています。上の画像はµCount3DでカウントされたE. coliの画像です。細胞は懸濁液中に存在し、23個のZ軸の積層画像(Zスタック)を基にカウントされています。3Dセグメンテーションを使用し、1つの層の中の細菌が検出されます。

実験前に手軽で正確に細菌濃度をカウントしたい場合や、細菌濃度を調整したい場合に、µCount3Dをご利用ください。

注意:µCount3D装置は、細菌の凝集体や糸状細菌をカウントするために設計されたものではありません。

1μmビーズの線形応答

µCount3Dでの細菌のカウント

線形応答は、カウントシステムの性能を評価する際の重要なパラメータであり、カウントシステムが特定の濃度範囲内で実際の数値に比例するカウント結果を出すことができるか、という指標になります。

1µmの品質コントロールビーズ(Bangs Laboratories Inc, Small Bead Calibration Kits, 833)を使用して、2倍希釈を連続して行いました。開始濃度は約2 x 10⁶で、無菌ろ過の脱ミネラル水で希釈しています。サンプルは振とう後に、µCount3Dのカセットに80 µLずつ分注されました。濃度範囲2 x 10⁶から1.6 x 10⁴の8つのサンプルのすべてが3つずつ測定され、µCount3Dソフトウェアで解析されました。

上の図のプロットは、線形応答のR² = 0.9992を示しています。

Bacillusの胞子の線形応答

3種類のバチルス胞子(Bacillus subtilis、2つのBacillus paralicheniformis株)を含む市販の線虫駆除製品を使用して、2倍希釈を連続して行いました。
市販製品の濃度は約1.67 x 10¹⁰で、0.9%NaClバッファーで希釈し、µCount3Dを使用して開始濃度を1.2 x 10⁷に調整しました。サンプルは振とう後に、µCount3Dのカセットに80 µLずつ分注されました。濃度範囲1.2 x 10⁷から2.3 x 10⁴の10種類のサンプルのすべてが3つずつ測定され、µCount3Dソフトウェアで解析されました。使用したアルゴリズム:Bacteria。

上の図のプロットは、線形応答のR² = 0.9972を示しています。

大腸菌:寒天上のコロニーカウント vs µCount3D

µCount3Dによる大腸菌のセルカウントµCount3Dによる大腸菌のセルカウント

E. coliのカウントを比較するために、寒天上のコロニーカウントとµCount3Dの比較検証テストが行われました。寒天上のコロニーカウントにおいては、IntuGrow社のFast CFU/mlアッセイ(IntuBio、デンマーク、Farum、www.intubio.dk)によるカウントが用いられました。

プロトコル:
E. coli(K12)を、TSBで一晩培養しました。希釈液である0.9%NaClバッファー10mlを粒子を除去するためにろ過しました。培養したE. coliを100倍希釈して、1 x 10⁷にになるように濃度を調整しました。濃度は、µCount3Dのカセット(µCassetteB)を使用して測定しました(各チャンバー65µl)。使用されたµCount3Dアルゴリズムは Bacteria。実験開始時の濃度の測定結果は6.97 x 10⁶で、サンプルチューブに#1とラベル付けをしました。

IntuGrow社のFast CFU/mlアッセイ:
サンプルチューブ#1はさらに希釈され、予想されるコロニー数である20-100コロニーに達するように調整されました。希釈したサンプル10µlをトリプトンソイ寒天(TSA)を含むMini Agar Disks(BioSense Solutions社)に塗布し、Mini Agar Disksを12ウェルプレートに置き、寒天表面をoCelloScope™で測定しました。発生したコロニーはIntuGrowソフトウェア(IntuBio社)を使用してカウントされました。

オリジナルのサンプルチューブ#1から500µlを、0.9%NaCl希釈液を使って2倍希釈を繰り返しました。チューブラックは、E. coliの新しい分裂を抑えるために冷えた条件下に置かれました。合計で8回の2倍希釈が行われ、それぞれ3サンプルずつカウントしました。

上の図: 一晩培養したE. coliのTSB培地での2倍希釈のカウント結果。青い線はµCount3Dを使用した自動カウント結果を示し、オレンジの線はIntuGrowアッセイを使用した寒天上でのコロニーのカウント結果を示しています。

下の図: µCount3Dによるカウント結果と寒天上でのコロニーのカウント結果の相関。データ元は右の図と同じ。プロットは、線形応答のR² = 0.991を示しています。

 

µCount3Dによる大腸菌のカウント結果

上の画像は、µCount3Dのソフトウェア画面。実験で使用されたサンプルチューブ#1のE. coliの最初のカウント結果(3つのチャンバー)。

 

µCount3Dによる大腸菌の画像

上の図は、IntuGrowソフトウェアからのE. coliのコロニー(Mini Agar Disks上のオーバービュー)。

黄色ブドウ球菌の自動カウント

 

µCount3Dによる黄色ブドウ球菌のカウント

黄色ブドウ球菌(Staphyloccus aureus)はBioball製品(NCTC 10788 – Biomerieux)を利用しました。記載の濃度は1.1E+8細菌でした。細菌ペレットを1mlのペプトンバッファーに溶解し、その後さらに希釈しました。各チューブからのサンプルは、µCount3Dのカセット(µCassetteB)を使用して3つずつ測定されました。µCount3Dの測定結果から計算される細菌ペレットの元の濃度は約7.8E+7で、製品に記載の変動値や手動ピペッティング精度を考慮すると、記載の濃度に非常に近い値が得られました。希釈系列は、R² = 0.9797という良好な相関を示しました。

µCount3Dを使った細菌の測定動画

µCount3Dを使用して細菌サンプルをカウントおよび調整する方法をご覧ください。溶液中のイメージングは、oCelloScope装置を使用して96ウェルプレートで行われました。

FAQ

  • カセット(µCassetteB)で使用する容量は?→各チャンバーに65µlを分注します。チャンバーは1つのカセットに3つ付いています。
  • 再利用可能なµCassetteはありますか?→再利用可能なµCassetteは販売していません。
  • 共培養サンプルをカウントできますか?→µCount3Dは、細菌の純粋培養向けに開発されており、培地は0.2µmフィルターを使用して無菌ろ過されている必要があります。ただし、細菌と酵母の共培養のカウント例を見たことがあります。細菌の方は懸濁液中でカウントされ、酵母の方は底に沈んで「酵母アルゴリズム」を使用してカウントされました。
  • MilliQ水を使用している場合、培地やバッファーをろ過する必要がありますか?→0.2µmフィルターを使用して無菌ろ過することを推奨します。きれいな培地にも粒子が含まれていることがあります。粒子が細菌と同じサイズであれば、それらは細菌としてカウントされてしまいます。通常、カセットの1つのチャンバーを使用して水/バッファー/培地をテストカウントします。結果は「TFTC」(Too Few To Count:カウントするには少なすぎる)であるべきです。
  • どの培地でも使用できますか?→培地が透明であれば使用できます。

細菌の自動カウントについて

サンプル中の細菌数をカウントすることは、微生物学における基本的な作業であり、微生物の集まりとその多様性に関する貴重な情報を提供します。

顕微計数法や寒天プレートでのコロニーカウントなどの手動カウント方法は伝統的なアプローチですが、効率性と正確性の問題から自動化された方法が注目されています。

細菌は、総細菌数、総生存細菌数(TVC)、およびコロニー形成単位(CFU)としてカウントすることができます。

自動カウント方法は、大きく「イメージング」「レーザー光散乱」「電気インピーダンス」に分けられます。

  • イメージングカウンター: カメラが細菌やコロニーを画像化し、それらをアルゴリズムでカウントし、希釈係数に基づいて結果が算出されます。さらに、カウントをサポートするために画像が提供されます。µCount 3Dソフトウェアでは、3つのチャンバー内の細菌数と濃度が表示されます。
  • レーザー光散乱: 細菌が光のビームを1つずつ通過し、光の散乱によって形態的特徴に関する情報を明らかにし、サンプルをカウントします。レーザー光散乱はフローサイトメトリーで使用され、細菌は染料や染色剤を使用してカウントおよび解析されます。
  • 電気インピーダンス: 細菌が電極の間を1つずつ通過し、電気的な電流の違い(物体のインピーダンス)により懸濁液中の細菌をカウントします。

これらの3つの技術にはそれぞれ利点と欠点があり、どの技術が自分のラボに最適かはユーザーの判断に委ねられます。細菌カウントの自動化において最も一般的な技術は、おそらく電気インピーダンスの使用です。これは、フローサイトメーターが高額で複雑であることに起因しています。フローサイトメーターは、通常、大学の共通利用施設や産業分野で使用されています。

細菌は、サイズが小さく、更にすべて底面に沈降するわけではないため、イメージング技術を使用してカウントすることが難しい細胞でした。しかし、µCount3Dは、細菌を平面ではなく体積で画像化することでこの課題を解決しました。一定の体積内に存在するすべての細菌をカウントすることで、正確なカウントがイメージングで可能になりました。

エレクトロポレーション

ドラッグデリバリー・遺伝子導入

電気式細胞融合

蛍光組織染色・in situ HCR

細胞分離

1細胞回収・マイクロダイセクション

細胞凍結

細胞・微生物培養 (解析/計数/伸展/灌流)

In Vivo イメージング・モニタリング

卵振動培養