食品微生物学

食品微生物学

アプリケーション

乳製品のカビ研究

ヨーグルト

ペニシリウムの胞子を接種したヨーグルト

ヨーグルトは分析が難しい試料のひとつです。ヨーグルトに含まれるカゼインは光を強く反射するため、顕微鏡による解析が非常に困難です。そのため、多くの食品メーカーでは、従来の寒天培地を使ってカビの増殖や抑制効果を調べ、目視で評価する方法が一般的です。分析期間は温度によって異なり、3日から21日ほどかかります。

BioSense Solutions社は、oCelloScope™を用いてヨーグルト中のカビの増殖を評価するためのアッセイを開発しました。oCelloScope™を使用することで、サンプル中の胞子の数や発芽、全体的な増殖を定量的に測定できます。分析期間は温度にもよりますが、1日から5日と大幅に短縮されます。

上の画像は、ペニシリウムの胞子を接種したヨーグルトのサンプルです。濃い色で見える部分がカゼインで、菌糸は青色のオーバーレイで追跡され、緑色で枝分かれや交差が示されています。カビの種類や処理条件を変えて、増殖の比較・定量化も可能です。

このアッセイは、試料を均質化できる場合、あらゆる乳製品への応用において有用です。

酵母研究

酵母の生死を判別する作業は、研究開発の現場でも生産工程でも、手作業に頼ることが多く、不確実で再現性に欠ける場合があります。以下は、oCelloScope™を用いた酵母の測定動画です。

酵母に染色を施し、「死んでいるように見える細胞が本当に死んでいるのか」「生きているように見える細胞が実際に増殖するのか」を検証しました。oCelloScope™を用いることで、酵母の増殖のモニタリング、細胞数のカウント、比率の算出、検証が可能になります。

これらの解析は、一定の時間ごとに取得した画像を独自のアルゴリズムで処理することで、簡便に実現できます。

プロバイオティクス研究

プロバイオティクス研究

酵母(Debaryomyces hansenii)の増殖抑制アッセイ

:牛乳とスターターカルチャーで発酵させたサワークリーム水溶液を使用し、バイオプロテクティブ株を添加したもの(+BioP)と無添加のもの(–BioP)、さらに純粋なペプトン生理食塩水(Pepsal)およびコントロールのペプトン生理食塩水における酵母の増殖を比較。

:ペプチドを含むPepsalで培養された酵母は、形態に変化が見られました。画像は、oCelloScope™で撮影した代表的な一例(96ウェルプレートを使用)です。

食品のカビ研究

食品のカビ研究

クロコウジカビ(Aspergillus niger)の増殖変化の比較

クロコウジカビ(Aspergillus niger)は、デンプンを多く含む果物や野菜が腐敗する際や、湿った壁に発生する一般的なカビの一種です。多くの研究者が、oCelloScopeを用いてクロコウジカビやその胞子の発芽について研究を行っています。右の画像は、UniExplorerソフトウェアで取得されたもので、発芽中の胞子の増殖動態が示されています。

※この解析には「SESA Fungi」アルゴリズムが使用されています。このアルゴリズムは、暗い輪郭を持つ微生物だけでなく、明るく透明な微生物(たとえば菌類)の面積も測定できる点が特長です。これにより、従来のプレートリーダーを用いた方法よりも高精度な結果が得られます。

食品保存料におけるカビの増殖の定量化

クロコウジカビ(Aspergillus brasiliensis)の生存率テスト

カビの胞子の生存率(発芽の時間や、発芽した胞子の割合)を、自動で簡単に定量化できることをご存知ですか?
上の動画は、oCelloScopeを使用して、PDB培地中におけるアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)の胞子発芽を定量的に解析した例です。この実験では96ウェルプレートを使用し、動画ではその一部をズームインして表示しています。解析に用いた胞子数は257個(N=257)です。アスペルギルス・ブラジリエンシスは、既定の濃度を持つ供給品を使用しました。アッセイは完全自動で実行され、ディープラーニングアルゴリズムによって発芽していない胞子が一定の時間ごとに追跡されます。今回の実験では、テスト保存料において胞子の生存率は85%以上を示し、発芽時間は5時間でした。

oCelloScopeを活用することで、包括的なカビ研究および品質管理のプラットフォームを手に入れることができます。

384ウェルプレートを用いた保存料のテスト

384ウェルプレートを用いた保存料のテスト

5種類のサンプル(コーラ、アップルジュース、未濾過ビール、エナジードリンク、0.1% NaCl)の酵母スパイク実験

5種類のサンプルサンプルに酵母を接種し、30分ごとにウェルの画像を自動取得し、27時間実験しました。その結果、増殖動態モデルによる解析で、アップルジュースと未濾過ビールにおいて酵母の増殖が確認されました。コーラ、エナジードリンク、0.1% NaClでは増殖は検出されませんでした。右の画像は、未濾過ビールとアップルジュースにおける酵母増殖時の画像です。経時的な自動測定により、早期の変化を見逃さずに検出している点が注目されます。

oCelloScopeを用いれば、真菌、酵母、細菌に対する新しい保存料のテストをハイスループットで行うことが可能です。また、一時保管した飲料を試験することで、製品の早期リリースと長い保存期間の実現につながります。

サンプルを解析して形態を区別

サンプルを解析して形態を区別

酵母と1µmビーズの識別・セグメンテーション

UniExplorerソフトウェアに搭載されたセグメンテーションアルゴリズムにより、細胞を1つ1つ分析して、種類の違う細胞の動態を解析し、特徴付けることが可能です。

サイズや形状など、20種類以上の形態的特徴を散布図やヒストグラムで可視化できます。これにより、目的の対象をグループ化し、そのグループの形態変化を時間の経過とともに分析することができます。

例えば、真菌の栄養細胞と胞子の識別や、細菌の胞子形成実験における識別が可能です。

エレクトロポレーション

ドラッグデリバリー・遺伝子導入

電気式細胞融合

蛍光組織染色・in situ HCR

細胞分離

1細胞回収・マイクロダイセクション

細胞凍結

細胞・微生物培養 (解析/計数/伸展/灌流)

In Vivo イメージング・モニタリング

卵振動培養