● | ISHpalette™によるin situ shHCR染色、その他の蛍光ISHや免疫染色のお供に |
● | 自家蛍光の強い生物種や成体組織の蛍光染色観察に最適 |
● | 難しい操作、特別な試薬は不要 |
蛍光色素を用いて組織における様々な遺伝子の発現やタンパク質量をモニターすることは生命現象を理解するために必須のアプローチであり、日々進歩しています。生体物質の組織における検出においては、シグナルを強くする「高感度化」も重要ですが、ノイズを減らす「低ノイズ化」も同様に重要です。組織の観察におけるノイズは様々な要因で生じます。そのうちの一つが自家蛍光を発する物質であり、老化などによって細胞内に蓄積されるリポフスチン顆粒や、エラスチン線維、ビタミンAなどが蛍光を発することが知られています。このような物質から生じる自家蛍光は、染色によって人為的に標識された蛍光と区別をつけることが難しいため、研究者を悩ませてきました。
これまでの自家蛍光への対処法としてよく用いられてきた試薬による消光では、本来検出したい蛍光色素由来の蛍光シグナルまでも減弱させてしまったり、特定の蛍光波長でノイズを増やしてしまうなどの欠点がありました。試薬を用いないアプローチの一つとして、強力な光照射による消光も試みられてきました。しかし、これまでの報告ではスライドガラス1枚を全て消光するまでに数時間から数日を必要とする、光による熱発生で組織が変性してしまうなどの欠点があり、実用化には多くの障壁がありました。
照射する光の波長、光源の種類、光の当て方を最適化することで消光までに必要な時間を短縮することを実現し、気化熱を用いた冷却システムを装置に組み込むことで組織標本の温度上昇はほぼ完全に抑制できることがわかり、蛍光消光装置TiYO™が完成しました(特許出願済み)。
1) Tsuneoka et al. 2022 Front Mol Neurosci.
蛍光染色における TiYO™の効果。TiYO™を使用した例(中段)では、蛍光シグナルにほとんど影響を与えない。消光試薬処理では、蛍光シグナルが減衰してしまう。。
シロサケのエラ組織切片上での自家蛍光の例と TiYO™による消光処理。全ての画像は撮影およびコントラスト調整を同一の条件で行った(下段は組織の輪郭を白線で示した)。
東邦大学 理学部 生物分子科学科 塚田 岳大先生 提供
付属品 |
サンプル設置用トレイ、電源ケーブル |
使用環境 | 0 ~ +40°C、20 ~ 85%RH(結露無し) |
電源 | AC100 ~ 240V、50/60Hz |
消費電力 | 最大 360W |
寸法(W × D × H) | 291 × 210 × 285mm(凸部含まず) |
重量 | 10kg |
処理可能サンプル数 | スライドガラス:最大 12 枚(重ねて消光する場合) |
Fluorescence quenching by high-power LEDs for highly sensitive fluorescence in situ hybridization.
Tsuneoka et al. (2022)
Front Mol Neurosci(原著論文)
IκBζ controls IL-17-triggered gene expression program in intestinal epithelial cells that restricts colonization of SFB and prevents Th17-associated pathologies.
Yamazaki et al. (2022)
Mucosal Immunology
※本製品は研究用です。臨床用途には使用できません。
※TiYO™ は東邦大学 医学部 解剖学講座微細形態学分野 准教授 恒岡洋右先生が開発された技術(特許出願中: 特願2021-008882)を用いて、共同で開発・製品化を行っております。
※掲載商品の仕様及び外観は、改良の為予告なく変更される場合がありますので、ご了承願います。