![]() |
◆準備する機械・器具:図A ・ 遺伝子導入装置 NEPA21 ・ CUY21SC ・ CUY21EDIT(ネッパジーン社) ・ In Vivo用電極(ネッパジーン社) CUY650P3(Sピンセット円形白金電極 3mmφ) CUY650P5(Sピンセット円形白金電極 5mmφ) ・ インジェクション針:図B 芯入硝子管をプラー等で引いて作る。 ・ 解剖用具一式 ・吸引チューブ(Drummond社) ・ ファイバーライト(kenko社, #KTS-100RSV) ・ 滅菌ガーゼ(ケースパイン, 7.5cm×7.5cm) ・ 手術台(マウス台) ・外科手術用テープ(3M社, Transpore) ・ ナイロン製縫合糸(ネスコ社, #HT1605NA75) ・ 絹製縫合糸(D & G社, #112451) |
![]() |
電気設定条件 | |||||
妊娠日数 | 電極径 | 電圧 | パルスオン | パルスオフ | 回数 |
12.5日 | 3mm | 33V | 30msec | 970ms | 4 |
13.5日 | 5mm | 30V | 50msec | 950ms | 4 |
14.5日 | 5mm | 33V | 50msec | 950ms | 4 |
15日〜 | 5mm | 35V | 50msec | 950ms | 4 |
◆In Uteroエレクトロポレーション
![]() |
滅菌ガーゼの真ん中を切り抜いて、切開部にあてがいリングピンセットを用いて片方の子宮角を露出させる。 |
![]() |
子宮壁を通して胎仔が見えるので、Fast Greenで着色したプラスミド溶液(DNA濃度2〜5μg/μl)をインジェクション針に吸引して、これを側脳室の片側、あるいは両方に注入する※1。 胎生14日の胎仔では、片方の側脳室あたり1μl程度が目安である。 ※1針を刺す時は、じわじわとやらずにプスっと一気に、しかし浅く刺す。 |
![]() |
注入後の胎仔。 両側の側脳室がFast Greenで満たされている(![]() |
![]() |
PBSで子宮をよく濡らし、ピンセット型の電極で胎仔の頭部をはさみ電気パルスを与える。 |
![]() |
ICRマウスを用いる場合の電気設定条件。 導入効率よりダメージを少なくする方を優先する場合は、回数を2回に設定 |
この時、実測の電流値は30mA〜60mAとなる(実測値は、電気パルスの後、機械のディスプレーに表示される)。
ただし、電極の当て方や子宮の濡れ具合によってもこの値は容易に変動する。まずは、上記の条件で、電流値がこの範囲に入るように電極間の距離や、陰極の子宮に接する面積を検討する。
調整しきれない場合には、電圧の設定を変える。
◆GFP発現ベクターを導入した例
胎生14.5日目のICRマウスにおいて、両半球の側脳室にCAG-EGFPを注入し、33V、50msecの電気パルスを4回与えた。
3日後(胎生17.5日目)に胎仔をかん流固定して脳を摘出し、蛍光実体顕微鏡で観察した (図A)
。
これらの脳において、一方の大脳半球では内側が、もう一方の半休では外側が遺伝子導入され、GFPによる蛍光をはっきりと認めることができた。
また、これらの脳から凍結切片をつくり、GFPの蛍光を共焦点レーザー顕微鏡で観察した(図B)。
脳室帯で遺伝子導入されたGFP陽性細胞が脳の表層側へと移動し、中間帯や皮質板にまで進入してきていることが観察された。
矢頭は脳室帯と中間帯、もしくは中間帯と皮質帯との境界を示す。
破線は組織の境目を示す。
VZ:脳室帯, IZ:中間帯, CP:皮質板
慶応義塾大学医学部解剖学教室 田畑秀典先生・仲嶋一範先生 提供
※羊土社
「必ず上手くいく遺伝子導入と発現解析プロトコール」 転載
![]() |
電気穿孔を行う1.5〜2時間前から全胚培養系を用いて哺乳類胚を培養する。 |
![]() |
生理食塩水を満たしたシャーレに胚を移す。 |
![]() |
微小ガラス針を用いて0.5〜1μl のプラスミドDNAを脳室内に注入する。 |
![]() |
エレクトロポレーター (NEPA21/CUY21)と電極(チャンバー型もしくはピンセット型)を用いて電気穿孔を行う。胎齢10.5日マウス胚の場合、70V、50msの電気パルスを5 回かける。 |
![]() |
胚を再び全胚培養系にて24〜48時間行う。 |
培養ラット胚終脳への蛍光タンパク質遺伝子の導入
![]() |
(A) 電気穿孔法を用いて、胎齢11.5日のラット胚終脳にEGFP遺伝子を導入後、全胚培養系にて胚の培養を行った。 (B) 培養48時間後、終脳背側特異的にGFP遺伝子が導入されていることが観察された。 Tel:終脳、D:間脳 |
培養ラット胚脊髄神経管への蛍光タンパク質遺伝子の導入
![]() |
(A) 電気穿孔法によって、胎齢12.5日のラット胚脊髄神経管にEGFP遺伝子を導入し、24時間全胚培養した。脊髄原基にEGFPの蛍光が観察された。 (B-E) スライス培養タイプラプス観察への応用例を示している。 電気穿孔法により、胎齢12.0日のラット胚脊髄神経管にHiston-EGFP融合遺伝子とDsRed遺伝子を共導入後、12時間全胚培養し、直ちにスライス培養とタイプラプス観察を行なった。神経上皮細胞の核(B、緑)および細胞の形(C、マゼンダ)が同時に(E)可視化されている。(D)は透過光微分干渉像 hb:菱脳、sc:脊髄、fl:前肢、DIC:微分干渉像 |
東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター 形態形成解析分野
高橋将文先生・野村真先生・大隅典子先生 提供
※Differentiation, Volume 70, Issue 4-5, Pages
155-162, June 2002 参考
エレクトロポレーションのセットアップ略図
マウス胎児の海馬切片をミリポアフィルター上に置き、DNAバッファー5μl(DNA濃度:1μg/μl)を海馬切片の上から滴下します。ニードル白金電極(CUY611P3-1)をDNAバッファー表面に接触させます。
エレクトロポレーション後、海馬切片を冷たいHBSS溶液の入ったシャーレに戻します。
培養ラット胚脊髄神経管への蛍光タンパク質遺伝子の導入
図(a〜c) | エレクトロポレーション後3日目の器官培養した海馬組織切片のeGFP発現(使用したプロモーター a:CAG, b:Tα1, c:β-actin) |
図(d, e) | 成長した海馬ニューロンは、エレクトロポレーション後培養され14日間に渡りeGFP発現(β-actin)が維持されました。図(d)の四角領域を拡大したものが図(e)で、樹状突起の矢印部分に樹状突起スパインが見られます。 |
図(f, g) | Tα1X4-eGFPとTα1X4-mRFP1を1対1の割合で混合して、エレクトロポレーション後7日目の海馬ニューロン。単一細胞の中で、eGFP蛍光(f)とmRFP1蛍光(g)の両方を観察することができます。 |
図(h) | 4つの異なったプロモーター配列(β-actin, CAG, Tα1, CMV)を有するeGFP発現プラスミドにおけるエレクトロポレーション後の海馬組織切片の蛍光強度の比較。組織切片は4日間培養後に固定され、共焦点顕微鏡を使用し蛍光強度を測定しました。(単位領域ごとに) |
図(i) | 2つの異なる発育ステージ(E15.5, E16.5)におけるエレクトロポレーション後の海馬組織切片の蛍光強度の比較。組織切片は4日間培養後に固定され、共焦点顕微鏡を使用し蛍光強度を測定しました。 |
図(a〜d, f, g)スケールバー:50μm、図(e)スケールバー:10μm |
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 神経細胞生物学 岡部繁男先生
提供
※Neuroreport, Volume 15, Issue 6, Pages 971-975, April 29, 2004
参考
図A: | 10週齢雌ラットの(左右)内側視索前核へのエレクトロポレーション4日後のGFP発現蛍光画像 (*印は電極の一部が存在した位置を示す。) |
図B: | 図Aの強拡大画像(対物60×レンズ) GFPシグナルは主として細胞体の核周囲部に認められる。 |
図C: | 免疫染色により内側視索前核ならびに視索前野室周囲核に存在するエストロゲンα受容体を染色 3Vは第三脳室 |
図D: | 図Cの強拡大画像(対物60×レンズ) エストロゲンα受容体シグナルは主に細胞核に認められる。 |
北海道大学病院 高次口腔医療センター 白川哲夫先生 提供
![]() |
![]() |
1:網膜下へDNAの注入 2:エレクトロポレーション |
3:ピンセット電極 4:ラットをピンセット電極でホールド |
様々な発生ステージで採取したラットの網膜へのエレクトロポレーション法による遺伝子導入。 | |
図A: | P0でpCAG-GFPを網膜に導入して、P21(a〜c)で採取。 強膜側から撮影。 |
図B: | P0でpCAG-GFPを網膜に導入して、以下のステージで採取。 P2(d〜f)、P5(g〜i) |
Cepko laboratory, Department of Genetics and Howard Hughes Medical Institute, Harvard Medical School 松田孝彦先生 提供
![]() |
![]() |
筋肉内へのDNA注射 | In Vivoエレクトロポレーション |
◆パルス発生装置ならびに電極
電気パルスは、パルス発生装置 NEPA21 ・ CUY21SC ・
CUY21EDIT(ネッパジーン社)を用いて発生させた。 電極は電極幅が3mmあるいは5mmに固定された、直径0.4mm (27G相当)
の平行な2本のステンレス針からなる針型電極を用いた。 これもネッパジーン社から入手可能である。
◆プロトコール
マウスに0.01ml/gの割で、6mg/mlのペントバルビタールナトリウム液を腹腔内投与し、麻酔する。
生理食塩水に溶解した発現プラスミド50μg(濃度1.5μg/ml)をインスリンシリンジ(27ゲージ針)に移す。
このDNAをマウスの下腿部筋肉(前脛骨筋)に筋注する。
その後直ちに、DNA筋注部位を挟むように、5mm間隔の一対の針電極(27ゲージ)を筋肉内に挿入し、50msの電気パルスを1パルス/秒の割り合いで3パルス、さらに逆方向に3パルス与える。
プラスミド発現の範囲を調べるために、pCAGGS-lacZを導入したマウスについて、導入5日後の組織切片をX-galで染色する。
注)マウスの前脛骨筋は小さいので、注射できる容量は50μlまでである。
![]() |
![]() |
筋肉全体 (エレクトロポレーション後) |
筋肉全体 (エレクトロポレーションなし) |
![]() |
![]() |
凍結切片 (エレクトロポレーション後) |
凍結切片 (エレクトロポレーションなし) |
◆X-gal染色
発現の範囲を調べるために、βガラクトシダーゼ発現プラスミドpCAGGS-lacZを同様の方法で筋肉に導入した。
筋注の2日後に、前脛骨筋を摘出し、ドライアイスアセトンでOCTコンパウンドに包埋した後、クリオスタットで15μmの切片を作製し、APS*でコートしたスライドグラスにはりつけた。
これを1.5%のグルタールアルデヒドで室温、10分固定した後、PBSで3回洗浄した。
そして、1mMのX-galを37℃、3時間反応させた後に再び洗浄し、エオジンで対比染色を行った。
その結果、多くの筋線維で発現していることが示された。
エレクトロポレーションなしでは、ほとんど染色される細胞は認められなかった。
大阪大学大学院医学系研究科 幹細胞制御分野 宮崎純一先生 提供
※nature biotechnology, Volume 16, Number 9, Pages 867-870, September 1998 参考
![]() |
![]() |
1: | Sピンセットフォーク3針 & 長方形電極 5mm×10mm(CUY663-5X10) |
2: | スクエアー式遺伝子導入装置 CUY21EDIT |
図A: | 上皮細胞(角質・顆粒・有棘細胞)での発現 エレクトロポレーション(電圧18V)後、1日目 倍率:×250 |
図B: | 皮下筋層での発現 エレクトロポレーション(電圧18V)後、7日目 倍率:×70 |
新潟大学大学院医歯学総合研究科 生体機能調節医学専攻内部 腎・膠原病内科学分野 丸山弘樹先生
提供
※Epidermal Cells Methods and Protocols, Series: Methods in
Molecular Biology, Volume 289, Pages 431-436, October 2004
参考
実体顕微鏡により撮影した精巣の画像。 様々な電圧で精巣に遺伝子導入を行ない、5週間後に可視光(図A)と励起光(図B)で観察を行なった。 図Aの各々の精巣には、出力された電圧が表示されています。 | |
図C: | 精巣(12日目)に様々な電圧で遺伝子導入を行ないってから5週間後の重量の変化を示しています。 |
図D: | 50Vで遺伝子導入を行なった精巣の断面図 |
図D(左): | 励起光下での蛍光顕微鏡の画像。 |
図D(右): | ヘマトキシリンによる対比染色。 |
図E: | 別の断面のヘマトキシリンによる染色。 |
精巣に高電圧で遺伝子導入をおこなった場合、精細管の管腔の拡張(図D)や被膜下の精細管の完全な変性(図D左)が観察された。
図Eでは、多くの蛍光陽性なセルトリ細胞が容易に確認出来ました。 図(A, B)スケールバー:2mm、図(D, E)スケールバー:100μμm |
武庫川女子大学 バイオサイエンス研究所 細胞生命解析学部門 蓬田健太郎先生
提供
※BIOLOGY of REPRODUCTION, Volume 67, Issue 3, Pages 712-717,
September 2002 参考
|
東北大学生命科学研究科 加齢医学研究所 仲村春和先生・渡邉裕二先生
提供
※Development Growth & Differentiation, Volume 42, Issue 3,
Page 199-201, June 2000 参考
(A) | プラスミド液を神経管内に吹き入れ、電極を卵黄膜の上に置く。 25V、50msec/secの矩形波を4回流す。 |
(B) | 転写によってヘアピン型siRNA (shRNA)が形成される配列をデザインし、U6プロモーターやH1プロモーターを持つ発現ベクターに組み込む。 当研究室では、マウスのU6プロモーターを持つベクターを用いているが、ニワトリ胚でも効果がある。 |
(C) | 転写後、ヘアピン部分が消化され、siRNAとなりRISC(RNA induced silencing complex)を形成し、標的遺伝子のmRNAを分解する。 |
エレクトロポレーション後24時間 | |
(A) | 導入効率を共導入したGFPにより検出。 |
(B) | En2に対するshRNAを設計。 in situ hybridizationによってmRNAの分解を検出した。 |
(C) | En2の正常な発現。 エレクトロポレーション法とsiRNA法を組み合わせることで、簡便な遺伝子の機能阻害法を実現できる。 |
東北大学生命科学研究科 加齢医学研究所 仲村春和先生・片平立矢先生
提供
※Mechanisms of Development, Volume 121, Issue 9, Pages 1137-1143,
September 2004 参考
図A: | Newカルチャーエレクトロポレーションの模式図 |
図B: | DNA溶液(FastGreenにより青緑色がついている)をステージ4ニワトリ胚の予定神経板領域に注入したところ。 hn:ヘンゼン結節、ps:原始線条、ao:area opaca、ap:area pellucida |
図C: | DNA溶液のインジェクションの模式図 卵黄膜と予定神経板の隙間に注入する。 |
◆プロトコール | |
![]() |
濾紙リングに胚を貼り付け、卵より取り出す。 |
![]() |
余分な卵黄を洗い、陰極チャンバーのプラットフォーム上に静置する。 |
![]() |
ガラスニードルを用いてDNA溶液を卵黄膜と外胚葉の隙間に注入する(外胚葉系組織に導入する場合)。 |
![]() |
標的部位を陰極板上に設置し、陽極をその上に設置する(電極間は5mm)。 |
![]() |
設定電圧10V、パルス時間50ms、パルス間隔100ms、回数5回のパルスをかける。 |
![]() |
卵白寒天プレート上に移し、39℃で培養する。 |
ステージ6(約5時間後)には、神経板上にGFPの発現が観察され、その後ほぼ中枢神経系の全域にわたって強い発現が観察された。
スケールバー:1mm
エレクトロポレーション後の導入遺伝子の発現
プロトコールの条件でステージ4の予定神経板領域にGFP遺伝子を導入し、蛍光実体顕微鏡下で経時的にステージ17(約34時間後)まで観察した例を示す。
導入されたGFP遺伝子は、エレクトロポレーション後約3時間頃より発現が観察され、中枢神経系と頭部表皮に強く発現していた。
さらに、標的領域における陽性細胞を定量したところ、約80%以上の細胞が発現していた。
他の部位への導入
ニワトリ胚の予定運命地図に基づいて、導入時期、導入部位、電極の設置部位を変えることにより、体節、血球系、側板、脊索などに発現させることが可能である。
A:体節、B:血球系、C:脊索、D:側板、E〜H:A〜Dの拡大した例
熊本大学発生医学研究センター 形態形成分野 嶋村健児先生 提供
※メディカル
ドゥ社「図・写真で観る発生・再生実験マニュアル」 転載
1: | ウェッケルの刃の片方を前胃の内腔に挿入し、切開しPBS(-)に移す。 |
2: | ゲルを電極におさまるように適当な大きさに剃刀で切り、PBS(-)に浸しておく。 |
3: | ゲルを電極に納め、周囲をPBS(-)で満たす。 ウェルの内側のPBS(-)をピペットマン(P200)で丁寧に吸い取って除き、プラスミドDNA溶液(12〜15μl)で満たす。 前胃を上皮が陰極に向くようにして入れる。 |
4: | 設定電圧30V、パルス時間50msの電圧を、75msの間隔で15回掛ける。 ただちにゲルを取り出し、サリエールに入れたダイロード液で濯ぐ。 前胃を取り出し、新たなダイロード液に移す。 |
腺形成のメカニズムを研究するために、上皮細胞に種々の遺伝子を導入し、その機能解析を行っている。
ここでは、その対照実験として、5.5日胚前胃の上皮に、GFP発現ベクターをエレクトロポレーション法で導入した例を示す。
2日間培養後、導入した遺伝子(GFP)の発現が上皮のみに見られる。
上皮の陥入が始まり、cSP遺伝子の発現が消失し始めている【図1】。
3日間培養後、胃腺が形成され、内腔上皮でcSP遺伝子が正常に発現していることから、エレクトロポレーション法による異常がないことが分かる【図2】。
GFPは内腔上皮でも腺上皮でも発現している。
東京都立大学大学院理学研究科生物科学専攻 八杉貞雄先生 提供
減圧処理を施した完熟種子に直接遺伝子を導入 外資系企業等の特許に抵触しない新手法の開発 |
1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: |
完熟種子の吸水 DNAを含むバッファーに浸す バッファーに浸したまま減圧処理 低温下でエレクトロポレーション 植物の生育適温で養生 植物の生育適温で養生 薬剤等による選抜 |
図1. エレクトロポレーション装置と電極 | ||
![]() |
![]() |
![]() |
装置:CUY21EDIT | チャンバー:CUY495P10 | 冷却しながらエレクトロポレーション |
イネ種子と難培養性作物として知られるコムギの種子に遺伝子導入(nptII)を行い、両者共に種子稔性のある形質転換植物体を作出した。 nptII遺伝子の存在はサザン法で確認した。 また導入した遺伝子の次世代(T1)への伝達もPCR法で確認した。 その他の植物種やカイコの卵についても遺伝子の一時的発現を確認した。
1: 2: 3: 4: |
種子さえあれば実験が開始できる。 短期間で組換え体を作出できる。 組織培養が不要である。 動物や微生物への適用の可能性がある。 |
図2. コムギ形質転換植物体の作出 | ||
![]() |
![]() |
![]() |
GUS遺伝子の発現 | ジェネティシンによる選択 | 形質転換植物体 |
図3. GUS遺伝子の一時的発現 | |||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
イネ(ジャポニカ) | イネ(インディカ) | ハクサイ | ダイズ |
図4. カイコ卵への遺伝子導入 |
![]() |
農業生物資源研究所 植物細胞工学研究チーム 萩尾高志先生
図1の様な配置・条件下で、ビテリン膜が付いたままのアフリカツメガエル胚神経板期(ステージ12〜13)の左予定眼領域にGFP-mRNA(1μg/μl、0.05%ファストグリーンを含む)を5〜10nl微注入し、直ちにエレクトロポレーション(20-22V,
5msecON, 95msecOFF, 10
shocks)を行った。
エレクトロポレーション直後は、図Aの様にファストグリーンによって導入位置(左眼予定域)が確認できた(10分程度でこの色素は拡散し消失した)。
15〜20時間後には図Bの様に左眼にGFP蛍光が強く観察された。
胚頭部切片のFITC免疫抗体染色法(図C)によってGFPタンパクが眼胞で局所発現していることが確認できた。
本方法ではBMPやShhなどのmRNAを局所導入することで下流マーカー遺伝子発現の増大/減少および眼の形態形成異常が観察できた。
名古屋大学アイソトープ総合センター 竹島一仁先生 提供
※genesis,
Volume 33, Issue 2, Pages 81-85, June 2002
In vivo エレクトロポレーション.
(A)
首の固定
ミツバチ成虫を氷冷麻酔し、チューブ中に差し込んだ後、2枚のU字型のプラスチック板を差し込んで首を固定する。
(B)
ミツバチの保定
プラスチック板をチューブに接着し、ミツバチを外科手術可能な状態でチューブ中に保定する。
この状態で顕微鏡下、頭部クチクラを切除し内部を露出させる。
ミツバチ頭部へのミクロピペットと電極の模式図
電極はキノコ体をはさむように置き、その中央にDNA溶液を満たしたミクロピペットを挿入する。DNAは浸透圧をあわせたミツバチ用リンゲル液に溶解する。
AN:触角、C:複眼、MB:キノコ体、Oc:個眼、OL:視葉
(D)エレクトロポレーションによる遺伝子導入
脳室が無いため注入されたDNA溶液は脳を包むように拡散していく。
そこで注入が終わると同時にNEPA21/CUY21EDITにより
50V、50msec/secの矩形波を与える。
スケールバー:300μm
視葉 (A, B) もしくはキノコ体 (C-F) に CMV-GFP
を導入したミツバチ脳の蛍光像
CMV-GFP プラスミドを導入したミツバチ脳において、蛍光は陽極を置いた位置の近辺に観察された (A, C,
E, F)。
生理食塩水だけでエレクトロポレーションを行った場合には、同様なシグナルは認められなかった (B, D)。
(A)
および(F) の蛍光像について拡大図をそれぞれ(G), (H) に示す。
図中の+、-は各電極の位置を示す。
やじりで観察された蛍光の位置を示す。 (F, H) についてはキノコ体細胞からの投射パターンが観察される。 (A, B, F, G, H)
は前から、(C, D) は後から、(E) は上から見た図。 (C) と (E)
は同一個体の脳を異なる方向から観察したもの。
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 細胞生理化学研究室 國枝武和先生、久保健雄先生
提供
※東京大学 特許出願中
※Biochemical and Biophysical Research
Communications, Volume 318, Issue 1, Pages 25-31, May 21, 2004
参考